こんにちは、Kです。
11月も終盤に差し掛かり、肌寒くなってきました。
あと一か月ちょっとで2021年も終わると考えると、感慨深いですね。
さて、年末の風物詩といえば、宝くじ。2021年は11月24日、本日から全国で一斉発売とのことです。
【全国一斉】『年末ジャンボ宝くじ』販売開始、7億円求め銀座には長蛇の列https://t.co/ZH7aY8psUL
今回は、1等7億円が22本、前後賞1億5000万円が44本、2等1000万円88本、3等100万円が880本。同宝くじは、12月24日まで発売され、運命の抽せんは12月31日に行われる。
— ライブドアニュース (@livedoornews) November 24, 2021
毎年この時期になると、駅前などで長蛇の列を見かけ、「なんの行列なんだろう」と思っていると宝くじの販売所だった、なんてことがよくあります。
皆さんは宝くじは購入されますか。私は宝くじを買う習慣はありませんし、今後も買わないんじゃないかと思います。
宝くじは買う時点で地獄、当たっても地獄が待っていると考えているからです。
●宝くじは買う時点で地獄
控除率という数字があります。ギャンブルなどにおいて、ある賭けにたいしてどれだけの手数料をとられるかを示す割合のことです。控除率に対して、ある賭けにたいしていくら払い戻されるかの割合を還元率と呼びます。
例えば日本における賭け事の代表選手、競馬の控除率は20~30%ほどと言われています。馬券を買ったら2,3割は手数料として支払っていることになります。
パチンコの控除率は10~15%、オンラインカジノに関しては5%前後と、意外と低く感じますね。
では、そんな中、宝くじの控除率はどの程度かというと、なんと驚異の53%(令和2年度)。これは宝くじの公式サイトでもはっきり書かれています。還元率の方を使っていますが。
つまり、宝くじというのは購入時点で半分以上が胴元に持っていかれる、競馬やパチンコ以上に効率の悪いギャンブル、ということになります。
お金を捨てるために行列に並び、大事な時間も捨てている…と考えると地獄です。
●宝くじは当たっても地獄
「いや、それでも宝くじはもし当たったら莫大な富が手に入る!俺は夢を買うんだ!」という方もいることかと思います。
例えば宝くじの一等に当選する確率は1000万分の1と、交通事故にあう確率よりも低いと言われていますが、その確率にかける、というのなら問題ありませんし、数億円が突然手元にくると考えるとワクワクしますね。わかります。
しかし、どうやら宝くじは当選しても地獄が待っているようなのです。
有名な話で、海外のことになりますが、4割以上が5年以内にお金を使い果たしてしまう、そして、宝くじを当選させた人の7割が将来自己破産している、と言われています。
数億円を数年間で使い切るというのはにわかには信じがたい話かもしれませんが、アメリカでは宝くじに当選したことを自らメディアに打ち明けるため、このような追跡調査が可能なようです。
少し前にこんなことをTwitterでつぶやきました。
転職すると大抵の人は収入は上がりますが、そこで正しいお金の使い方について学ぶことを怠ると大変なことになります。
NBA選手は平均年俸5億円、生涯賃金20億円強ですが、60%の選手が引退後5年以内に自己破産をするとのこと。
高い給与をもらっているときほど、財布の紐を締める意識が重要です。
— 内科医 K (@naikaiK) September 30, 2021
原理的にはこれと同じだと思うのですが、人はお金を持つと生活コストを上げてしまうものなんですよね。一方で一度上げた生活コストを下げることはかなり難しいです。
数億ものお金を手に入れて、仕事もやめて、毎日贅沢三昧して、数年後にお金が尽きたとして、「じゃあ元の慎ましい生活に戻そう」というのは誰もができることではありません。
「お金持ち」はその過程のことを指すと言われています。
手元に入ってくるお金の額を増やしたり、貯めたり、運用したりした結果、資産を築く過程こそが「お金持ち」の本質であり、ただ単に「お金を持っている人」とは似て非なるもの、ということですね。
宝くじに当選したことで、急に”家族”が増えてお金をせびられたり、友人関係が破綻したり、果てには命を狙われたり…なんて話も聞きます。
少年漫画でいうところの「強大すぎる力は身を滅ぼす」みたいな展開ですね。
大きなモノを扱うためには、そのための器もしっかりと形成していく必要があります。
多くの人の幸運の象徴である高額当選が、その後の人生の破綻の始まりになり得る…というのは皮肉な話ですね。
ちなみに、2014年に佐藤健さん主演で映画化された「億男」は、ひょんなことから3億円が当選した男性のお話です。お金について考えさせられる、個人的に好きな映画です。未視聴の方はぜひ。Amazonプライムでも観られます。
まあ、そんなこんなで、私は宝くじは買いません。
しかし、ここまで読んでくださった方の中にも「うるせえ、俺はそれでも宝くじを買う…。夢を買うんや…。」という方、いるのではないでしょうか。それでもいいと思います。
先述の宝くじの公式サイトにもあるように、宝くじの収益は公共事業や社会貢献活動にも使われていますし。
ただ、大事なのは上記のようなことを理解した上で、つまり、宝くじというのは非効率なギャンブルなんだということを承知の上で購入列に並んでいるのかどうかだと思います。
順番を待ちながら、握りしめているスマートフォンで宝くじの公式サイトをガチガチに読み込んでいる人ってどれくらいいるでしょうか。
一等の当選確率より低いかもしれませんね。
あ、でも、もし3億円もらえるなら喜んで…。
以上、宝くじは買っても地獄、当たっても地獄という話でした。