こんにちは、Kです。
「秘書問題」という数学の問題をご存知でしょうか。
あなたが、秘書を雇いたいと思って求人を出したところ、100人の応募があったとします。
あなたは、ひとりひとりと面接をするのですが、採用か不採用かは面接が終わった直後に即判定しなければならないとします。
そのとき、1番優秀な秘書を採用できる確率を最大にできる戦略はどのようなものか…というものです。
なんとコレ、数学的に適切な解法が一つだけあるそうです。
それは、「最初の37人までは無条件に不採用にして、38人目以降で、それまで不採用にした人よりも良さそうな人がいたら即採用」というもの。
統計的にこれを上回る方法はないそうです。
なぜ37なのかというと、応募者の総数である100を、数学定数 e=2.718⋯で割って求めた数の近似値、とのこと。
ちなみに、応募総数が50人だったら最初に不採用にするのは50/e ≒ 18人。
100000人だったら最初に不採用にするのは100000/e ≒ 36791人。
といった感じで、総数をeで割った数の応募者をスキップする、というのは変わりません。
最初の何人もの応募者を問答無用で不採用にすることの良し悪しは置いておいて、なかなか興味深いですよね。
この秘書問題を通して何を伝えたいかというと「適切な選択をするためにはある程度、数をこなす必要がありますよ」ということ。
我々は、普段、かなり限られたサンプルをもとに決断を下す傾向があります。
仕事でも、趣味でも、恋愛でも、一度や二度の失敗で「もうダメだ」となりがちです。※「秘書問題」も、もともとは100人とお見合いをする「結婚問題」だったそうです。
しかし、統計学的にいうと、100の選択肢があったとしたら37回くらいを無駄にしないと、自分にとって最良のものとは何なのかがわかってこない…ということになります。
若いうちはとにかく色々トライしてみることが大事です。
もちろん、最初に選んだ道で最適解を見つけられるラッキーな人もいるかもしれませんが、たとえそうでなくとも落ち込む必要はありません。
投資の神様、ウォーレン・バフェットの名言の中で、私の好きなもので「能力の輪」の話があります。
みんな大好き投資の神様ウォーレン・バフェットがこんなことを言っています。
「自分の能力の輪を知りその中にとどまること。輪の大きさはそれほど大事ではない。大事なのは輪の境界がどこにあるかをきちんと把握することだ。」
自分の出来ることに注力し、それ以外は素直に人を頼る事は割と重要。
— 内科医 K (@naikaiK) October 12, 2021
この、輪の境界線をどうやって見極めるのか、というのが難しいと思うのですが、つまるところ、やっぱり数をこなすしかないんじゃないかな、と感じています。
色々試して、サンプルを増やす中で、自分がどういう人間なのか、何が自分にあっているのか、というのがわかるのだと思うのです。
私も、色々な選択肢があった中で、現在はフリーランスの医師として働いています。
もちろん今の生活も非常に楽しいのですが、自分ではまだまだ数多くのサンプルを試す過程だと思っています。
これを読んでくださっている方の中で、もしも「自分は何をやってもうまくいかない」と考えている人がいたら。
もう少しサンプルを増やしてみると良いかもしれませんよ。
以上、最適な選択肢にめぐり合うためには?という話でした。