勉強

最年少18歳の司法試験合格者の記事を読んで考えたことの話

こんにちは、Kです。

2021年9月7日に令和3年度の司法試験の合格発表がありました。

そのニュースの中で話題になったのは、「合格者の最低年齢は18歳」ということ。大変驚きました。

先日、渦中の18歳、大槻凛さんのインタビュー記事を拝見しました。

大槻さんが受験に至るまでの経緯、勉強法などに関して伺っているのですが、全く別の分野の世界で仕事をしている自分にも大変学びになる内容でした。

この記事を読んで、大槻さんがこのような偉業を成し遂げられた要因に関して私が感じたことを、恐れ多くも、まとめてみたいと思います。

①遺伝子要因・環境要因はやはり大きい

現在、慶應義塾大学の法学部の1年生という大槻さん、慶應義塾幼稚舎(小学校)に入学し、以後、普通部(中学校)、慶應義塾高校、慶應義塾大学へと進学したそうです。

その間、受験勉強に時間を大幅な取られることなく、自分の興味のある対象について学習することができた、ということはやはり一つの大きな要因であると感じました。「大学受験に関係のない勉強を続けていて大丈夫か?」という不安が大きく軽減された環境であることは確かでしょう。

もちろん、慶應での授業そのものも決して楽なものではなかったと思います。大槻さんは内部進学でも成績上位者しか進むことができない法学部に籍を置いています。学校の勉強と、難解な司法の学習との両立を可能にした生来の頭脳明晰さが、多大に影響しているということは否定しようのない事実だと考えます。

また、そのような環境に身を置くことができたご両親の教育方針、経済力も無視できないと思います。また大槻さんは、高校1年生の2月から司法試験の受験指導校「伊藤塾」で本格的な勉強を開始したとのことですが、この受講料も、コースにもよりますが、一般的には100万円以上の大金が必要となります。

高校生1年生の息子が「司法試験を受けたい」と言ったときに、その額をポンと出資できる親御さんは、少なくとも日本では限られることでしょう(実際、ポンと出資したかは知りません)。

ただ、大槻さんの合格を単なる「遺伝子ガチャ」「親ガチャ」で片付けるわけではありません。同じ境遇にいても、誰もが司法試験合格を達成できるわけではないでしょう。

自分が感じた大槻さんの凄みは、以下の点です

②エッセンシャル思考

③常識にとらわれない発想力

②に関して、大槻さんは空手は黒帯、中学校までラクロス部に所属しキャプテンも経験しているという文武両道ぶりですが、高校では運動部には入らず、ご本人曰く、生徒会の”幽霊部員”として過ごし、週18時間も司法試験の勉強に費やしていたとのことです。

多感な時期にある日本の高校生が、周囲に流されず、部活や遊びという選択肢を除外し、週18時間という時間を、学校の授業と無関係、かつ大人でも難解な学習のために使えていたというのは凄まじいことです。それも、2年間以上という非常に長期間にも関わらず、です。

大槻さんは、自分の興味のあること(裁判)を突き進めた結果、司法試験を突破できたと語っていますが、それでも並大抵のことではありません。

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」グレッグ・マキューン(著) という本に、「物事の無駄を削ぎ落とし、とにかく一つのことに注力すること」の重要さが書かれていますが、まさに大槻さんは、そのエッセンシャル思考の体現者だと感じました。

また③に関して、高校生で「司法試験を受験しよう」と考えられる発想力に驚きです。おそらく大抵の場合、どんなに司法に興味があったとしても「将来は法学部に入学し、法科大学院を経て司法試験を受験しよう」くらいが一般的な考え方だと推測します。

「司法試験の受験予備校に入学して、一生懸命勉強すれば合格できるだろう」と考えることそれ自体が、常人にはできない発想です。

他人と同じことをしていては、他人と同じ成果しか得られないというのはよく言われていることで、大きな成果を得るためにはそれなりのリスクを取ることが重要ですが、「高校時代を司法試験の勉強にぶっ込む」というリスクが存在することすらも、常識にとらわれながら生きてしまった私は知りませんでした。本当に凄いことです。

また、一見特異にも感じられる息子さんの希望を押さえつけずに支え続けた親御さんも、きっと常識にとらわれない自由な考え方をお持ちの方々なのでしょう。

もちろん、大槻さんがクレイジーであるなどというつもりは全く無く、インタビューでは、大学で教養を学び、様々な社会経験を積んで、よりよい法律家になりたいと御本人は語っています。めちゃくちゃまともです。脱帽です。

裁判官、検察官、弁護士の法曹三者、どれになるかはまだ決めていないとのことですが、大槻さんの輝かしい将来を勝手に楽しみにしています。

医学の世界でもこの春、京都大学医学部に飛び級入学した林璃菜子さんが話題になりました。

順調にいけば6年後、日本では歴代最年少の医師が誕生することになりますね。

今の時代、優秀な若い世代の方々の活躍が目覚ましいです。きっと、これからも、我々には思いもよらないような偉業を達成しようとする方が現れ続けることでしょう。

そんなときに、これまでの常識で押さえつけるのではなく、その自由な発想を実現する方法をサポートしてあげることが、新しい時代の大人のすべきことなのかもしれない…などと大仰なことを考えています。

大槻さんの偉業に感銘を受けすぎて長々と語りすぎてしまいました。

日本の若者の将来に期待大です。

以上、最年少18歳の司法試験合格者の記事を読んで考えたことの話でした。