仕事

選択肢が多すぎると不幸になるかも…という話

こんにちは、Kです。

選択肢は多いのと少ないのではどちらがよいか?

こう言われると、「もちろん多い方がいい!」と答える方がほとんどだと思います。

私もそうです。

例えば、勉強して資格を取ったり、色んな業界の人と人脈を築いたり、などなどは仕事上の選択を増やすための行動と言えるでしょう。

我々は、自分に関わる何かをコントロールする力、すなわち裁量権を奪われると強いストレスを感じます。

ハーバード大の社会心理学教授、ダニエル・ギルバートは、「生まれてから去るまでの間にコントロールする能力を失うと、惨めな気分になり、途方に暮れ、絶望し、陰鬱になることがわかっている。」と述べています。

ただ一方で、では選択肢が多ければ多いほど幸せになれるのか?というとそうでもないようなのです。

こんな実験があります。

スーパーマーケットで買い物客に1ドルの割引券を渡し、テーブルに並べたジャムを試食してもらいます。テーブルのジャムは1時間ごとに並び替えられ、6種類の場合と、24種類の場合とで購入パターンの違いを調べました。

有名なジャムの実験ですね。

すると、6種類のジャムを並べた場合の立ち寄った客のジャムの購入率は30%であったのに対して、24種類のジャムを並べた場合の購入率はわずか3%でした

我々は、選択肢が多すぎると今度は決められなくなってしまうという性質があり、これを心理学では「決定麻痺」と呼ぶそうです。

さらには、選択肢が多くなりすぎると、人は不幸を感じやすくなるとも言われており、これはアメリカの心理学者バリー・シュワルツによって「選択のパラドックス」と呼ばれています。

選択肢が多くなりすぎると無力感を感じて選ぶのが難しくなり、選択した後も「他の選択肢の方が良かったのではないか」という後悔が残って満足を得にくい、というのが理由だそうです。

では、我々はどうすればいいのか。

単純なことかもしれませんが、あえて選択肢の数を絞る必要があります。

上述のジャムの実験を行ったシーナ・アイエンガー教授は、人がストレスなく自信をもって選択できる選択肢の数は、7±2、つまり5~9だと結論付けています。

つまり、多くの選択肢を前に困っている場合は、その中からいきなり1つを選び出すのではなく、まずはどんなに多くとも9つ、可能であれば5つくらいまで候補を絞ることが、最終的に自信を持った決断がしやすい、ということになりますね。

また、何を重要視した決定が最も自分への影響度が高いか、ということについても普段から意識する癖をつけておくとよいと思います。

多くの選択肢を前にすると、それぞれのちょっとしたメリットに引っ張られて、そもそも自分が何を重要視していたのか、ということがどこかに行ってしまいます。

そうならないために、選択を迫られない普段のうちから、自分の中にちゃんとした選択基準を作っておくべきだと考えています。ちなみに私の場合の最重要事項は、「自分の好きなことができる時間」です。

 

あらゆる分野で情報化が進み、今や我々は指先一つで数限りない選択肢を得ることができるようになりました。

これはもちろん喜ばしいことですが、多すぎる選択肢を前に困惑してしまう場面も増えました。

そんなときにあえて選択肢を絞る…という選択をとることは、幸せに生きるための一つの戦略になるかもしれません。

以上、選択肢が多すぎると不幸になるかも…という話でした。