こんにちは、Kです。
新型コロナウイルスの世界的流行、いわゆるコロナ禍に突入して、早2年以上ですね。
一方で2022年9月2日現在、全国的に新規感染者数は前週と比較して減少傾向で、第7波もピークアウトの様相を呈しています。
また、オミクロン株対応のワクチン接種も近日中に開始される可能性があり、COVID-19との戦いの終息への期待も高まります。
しかし、そうはいっても油断は禁物です。
「新型コロナウイルスはただの風邪ではない」のです!!!
…今回は、この「新型コロナウイルスはただの風邪ではない」発言には意味がなく、しかも逆効果かもしれない、というお話です。
こんな実験があるそうです。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)が作成したインフルエンザワクチンに関するパンフレット。
これには「インフルエンザワクチンで具合が悪くなるというのは、誤りです」との記載が。
しかし、はっきりと「誤りです」と書かれているにもかかわらず、被験者の15%はこれを事実と記憶してしまい、実験後に「予防接種は受けない」と答えた人の割合は増えてしまったそうです(Schwarz N et al.,2007)。
デマを否定するメッセージというのはむしろ逆効果のようです。
私自身、これまで職場でもプライベートでも声高に「コロナはただの風邪ではありません!」と主張してきたので、「アレ、無意味だったのかよ…」と耳が痛いです。
では、どうすればいいのかというと、「正しい情報を端的に伝えること」これに尽きるそうです。
例えば、
「新型コロナ・オミクロン株流行期の60歳以上の患者の重症化率はインフルエンザの4倍以上です」
「罹患した72.5%の人が後遺症に苦しんでいます」
など。
コレってコロナ関連だけではなく、あらゆるデマ医療情報に対して有効な方法かもしれません。
ちなみに今回の参考文献はコチラ。
我々がつい陥りがちな思考のクセについて学べる良著です。
我々人間は、自分が信じたいことを信じる生き物です。
「いや、○○大学を卒業した賢い自分はそんなことはない」と思われる方もいるでしょうが、実は医学的デマに対して、大卒の人は平均よりも騙されやすい傾向にあるそうです(Galliford N & Furnham A, 2017)。
きっと、将来的にCOVID-19との戦いが終息しても、また新たな医療デマが出てきて判断を迷わされる人が出てくることでしょう。
もし、自分の周囲の大切な人が、医療デマに踊らされているときは「それデマだよ!」とストレートに否定するのではなく、淡々と科学的データを伝えて差し上げてください。
一見、遠回りに感じるかもしれませんが、いずれわかってくれる日が来ると思います。
ちなみに、コロナは本当にただの風邪ではありませんから、皆様、引き続きご注意を!
以上、「コロナはただの風邪ではありません!」が無意味な理由の話でした。