こんにちは、Kです。
皆さん、お金とはうまく付き合えていますか?
「お前はどうなんだ」というお声が聞こえてきます。すいません。
私の場合、昔はかなり雑な扱いをしていたのですが、ある時、このままでは危ないと感じて勉強を始めた結果、ここ数年で少しずつマシになってきました。
お金に関する書籍は定期的に読むようにしており、過去にも何冊かご紹介してきましたが先日、面白い本を読んだのでご紹介です。
「サイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセット」という本です。
本書は「お金とうまく付き合うには、頭の良さより、行動が大切だ」という主張のもとに書かれた書籍です。
具体的な投資方法や手順の紹介、というより経済活動を行っていく上での心構えに関して学べる本ですね。
なお、本書は明言こそされていませんが、主にインデックス投資を行う人が対象になると思われ、アクティブ投資を行っている人や、そもそも投資とはなんぞやという人が読むと肩透かしを食らうかもしれません。
筆者は「学位もなく、専門的訓練も受けておらず、経歴も実務経験もなく、人脈もない人間が、最高レベルの学歴、専門的知識、人脈を持つ人間のパフォーマンスを大幅に上回る」可能性を唯一秘めているのがファイナンスの世界だと述べています。
その2つの理由として
①経済的な成果は、知性や努力とは無関係の「運」に左右される部分が大きいから
②経済的な成功は、何を知っているかよりも、どう振る舞うかが重要な問題であるから
を挙げています。
すなわち、ファイナンスの世界では、正しい知識を持っている人の勝利が必ずしも保証されているわけではないこと、また、たとえ何をすべきかを知っていたとしても、その人が実際に取る行動はまったくの別物であること、が述べられています。
その上で、重要となるのが、お金にまつわる人間の心理=「ザ・サイコロジー・オブ・マネー」について学ぶことである、というわけですね。
本書では、お金との賢く付き合っていくために重要なテーマを20に分けて、一つ一つを簡潔に説明していますが、個人的に印象的だったのは、“第9章 本当の富は見えない”です。
富とは、購入しなかった高級車であり、買わなかったダイヤモンドである。
身につけていない時計、着ていない服、乗らなかったファーストクラスの座席である。
富とは、目に見えるものに変換されていない金融資産のことである。名言だと思ってます。
— 内科医 K (@naikaiK) January 11, 2022
我々は、高価なものに囲まれた生活をしている人に憧れますが、そうした「物質的豊かさ(richness)」と「富(wealth)」は別物ですよ、というわけです。
単純かつ明白な事実ですが、頭の中のモヤが晴れたようなスッキリさを感じました。
また“第3章 決して満足できない人たち”では『「富の比較ゲーム」に参加してはいけない』と述べられています。
年俸50万ドルの野球選手は世間一般の基準からすれば相当なお金持ちですが、2018年に個人資産が35億ドル増えたウォーレン・バフェットとは比較になりませんし、そのバフェットでさえ、同年に資産を240億ドル増やしたジェフ・ベゾスには敵いません。
要するに他人と収入を比較してもきりがないということですね。上には上がいます。こうした戦いにはそもそも参加するべきではない、と書かれていて、そのとおりだな、と。
たとえ周りの人より収入が少なくても、「今の自分にはこれで十分だ」と満足することが大切ですね。
もちろん、他にも『お金から得られる最高の配当とは、「時間」をコントロールできるようになること』、『富を誇示するような高級品を苦労して身につけても、思ったほど他人から称賛されることはない』などのパワーワードがたくさん出てきます。
先述の通り、本書はお金儲けの指南書ではありませんが、投資を始めて10年以内の初級者と中級者の間くらいにいる人が、自分の道筋を確認するために大いに役立ってくれる書籍のように感じました。
それなりの期間でインデックス投資に取り組んでいる方で、自分の投資手法にマンネリズムを感じている人、今後に漠然とした不安を感じている人にぜひおすすめしたい本です。
以上、お金との付き合い方を学べる本の話でした。