こんにちは、Kです。
先日、久々にトム・ハンクス主演の「ターミナル」という映画を観ました。
初めて観たのは大学生の頃で、正直「いい話だったな」くらいの感想しかなかったのですが、その後、社会に出て多少の経験も積んだ今、見直すと色々と考えさせられる映画でした。
以下は、映画のネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
簡単にあらすじをまとめると、トム・ハンクス演じる主人公のビクター・ナボルスキーは東ヨーロッパのクラコウジアという小国からニューヨークのJFK空港にやってきますが、入国しようとした矢先に母国でクーデターが起こりパスポートが無効に。アメリカには入国できず、かつ母国への帰国もできず、空港内に足留めになってしまいます。英語も片言しか話せないビクターの空港サバイバル(?)生活が開始となります…。
言葉もよくわからない異国で、突然、一人で生活をしていかなければならなくなってしまったとしたら…という、まあまあな無理ゲーですね。しかし、そこは映画ですから、ビクターはあの手この手で空港内で生き延びていくための方法を見出していきます。
一見、突飛にも思えるシチュエーションですが、ビクターがこのような環境で生き抜くために役立った能力は、我々が実社会で生活していくためにも有用なものばかりと感じました。自分が考える、ビクターが空港内で生き残れた主な要因は以下の3つです。
①環境を受け入れ、工夫しようとする力
②手に職をもっていること
③誠実さ
①環境を受け入れ、工夫しようとする力に関して、ビクターは自国でのクーデターという突然のトラブルに最初こそ戸惑いますが、すぐに空港でどのように生活していくか、ということにピントをあてはじめます。
空港内という限られた環境内で、日々どのように食べ物を得て、どのようにお金を稼いでいくかということを、模索していきます。
我々の多くは与えられた環境内で、自分の手持ちの武器で勝負していくしかありません。そのときに「ここには○○がないからダメ」という出来ない理由を見つけることは簡単ですが、その際に、今の手持ちの武器でどのように状況を打破してくかということを考えられる能力が重要なのではないか、と映画を観ながら感じました。
一方で、②手に職をもっていることに関して、そうは言っても、何を手持ちの武器として所有しているかは非常に重要です。ビクターの場合は、建設に関わる技術が功を奏しました。あることをきっかけに空港内の改装を手がける内装業としての職を得ます。
やはり、どのような環境でも仕事を得られるような能力を身に着けておくことは重要です。自分の場合、医師免許という医業を行なう資格は持っているものの、能力を発揮するための状況は限られます。もちろん、自分の職業の専門性を高めていくことは必要ですが、仮に医師として働くことができなくなったときに、それでも生計を立てていけるような能力を培っておくことは生存戦略として重要だと感じました。
…とりあえず、明日から準備したいと思います。
③誠実さに関して、これが恐らく最も重要なことだと思うのですが、ビクターが生き残れた一番の理由は彼の人間性にあると感じました。それは何も特別な才能によるものではなく、ひたすら誠実に行動し続けたことで、徐々に周りに人が集まり、あるエピソードをきっかけに爆発的に周囲の協力を得られるようになっていったのです。
先日、こんな本を読みました。
本書では、仕事や家庭などあらゆる場所で、無礼に振る舞うことがいかに大きな損失となるか、礼節を持って過ごすことがいかに大きなメリットを産むかについて述べられています。
様々な技術が開発され、いずれAIにあらゆる仕事が代替されていくと言われていますが、少なくとも当面は人が人を雇い、人を相手に仕事をしていく、という現状は変わらないと思います。
どんなに有能な人でも、他人に対して適切な応対が出来ない人は、結果的に多くの負の影響を及ぼし、いずれ淘汰されていきます。
逆に、たとえ個人としては傑出した能力をもっていなくとも、周囲の協力を得ることで大きなことを成し遂げてしまう人もいます。
厳密な意味で、人は誰も一人では生きられません。自分のようなフリーランスの立ち場の者も、職場の様々な方の協力のおかげで、なんとか仕事が出来ています。このことを忘れてはいけませんね。
ビクターは突如、不条理な状況に身を置くことになりましたが、自暴自棄になったり、不正を行なうことなく、常に礼節を持って行動し、結果的に多くの人の協力を得ることで、空港で生き抜くことができました。先述の通り、ビクターには仕事を得られるだけの技術があったのは確かですが、彼の礼節さこそが、生存を可能にした最大の理由だったんじゃないかと感じました。
以上が、私がターミナルを観て考えたことです。
過去に観た映画でも、受け取る側の自分が変われば、また異なる教訓が得られることを学びました。
フリーランス医として、考えさせられる映画でした。
以上、映画「ターミナル」を観て感じた生き抜くために必要な3つの力の話でした。