お金

「お金とやりがい」問題への解決策の話

こんにちは、Kです。

稼げる仕事か、やりがいのある仕事か。

よく議論になるテーマですよね。

先日、観たドラマの中でこんな文章から始まるシーンがあったので紹介します。

You know the expression,”One for them,one for us”?

引用元:She-Hulk: Attorney at Law 第8話

日本語では「やりがいか(for them) 稼ぐためか(for us)」と訳されていました。

弁護士である主人公達が自分達の働き方について語るシーンです。

次のように続きます。

僕は開業していて、仕事はたいていプロボノだ。これは“やりがい”。

でも請求書がたまってくると、大口の依頼人の仕事も受ける。これは“稼ぐため”。

引用元:She-Hulk: Attorney at Law 第8話

ちなみにプロボノとは、社会貢献のために無償もしくは低額で引き受ける仕事を指します。

我々は仕事を、やりがいか、お金か、どちらを取るか、の2つの選択肢の間でしばしば悩みます。

どちらも得られる仕事もありますが、往々にして、そういう仕事に就くことは困難を極めますね。

ではどうしたらよいでしょうか。

なぜ、このシーンを紹介したかというと、このやりとりの中に、「お金とやりがい」問題に対するもう一つの選択肢が含まれていると感じたからです。

すなわち、「やりがいのある仕事も、稼げる仕事も、どちらもやる」です。

 

先述のように、どちらも得られる仕事というのは、無いとは言いませんが、非常に希少です(どこからが「稼げる」も人によって違いますが)。

かつ、そういう仕事には多くの希望者が出るため、より一層、就くことは難しくなります。

なので、我々は大抵の場合、「やりがい」や「稼ぎ」などの各要因が自分のある程度の希望を満たす仕事を一つ選んできました。

しかし、なぜ一つなのでしょうか。

日本では長らくある一つの企業に就職して滅私奉公するという終身雇用モデルが働き方の主流でしたし、医師の場合も外勤などしつつも基本的には常勤、あるいは独立して開業医として経営に進むというのが一般的な流れでした。

医療業界に関して言うと、医師の仕事に関する情報がこれまでクローズド、閉じられたものだったからということも影響しているでしょう。少し前までは、医師の求人情報などは、医局などの組織に所属する一部の人達と、ごく一部の情報通だけのものでした。

しかし、時代は変わり、多くの業界でフリーランスという働き方が市民権を得るようになってきました。

求人に関する情報ももはやオープンなものになったと考えて良いでしょう。ネットで少し検索すれば、数え切れないくらいの募集が目の前に現れます。

その結果、性質の異なる仕事を自分で組み合わせることができるようになりました。

一昔前なら、こんなことは不可能だったでしょう。

すなわち、先述の弁護士の例のように、複数の働き方を並行しながら生きていくことが可能な時代になったと言えます。

医師界隈でこの働き方を実践されていると私が思う先生で、有名なのは宮本駿先生、すなわちしゅんしゅんクリニックP先生

医師として働きながら収入の柱を一つ持ちつつ、芸人という、自身がやりたい仕事に挑戦されています。

また、週の一部は自由診療クリニックなどの勤務で収入を確保しつつ、残りを救急医療など自分がやりたい仕事、意義を感じる仕事に使うという働き方をされている先生もいます。

そして今、医師界隈で流行の兆しを見せている、「勤務医+プチ開業医」。

これも、勤務医として収入の柱を一本持ちつつ、開業医に挑戦するやりがいを得る(うまくいけば収入も)、というハイブリッドな働き方と言えます。

このように、収入を重視する仕事と、やりがいを重視する仕事の、どちらもやってみるというのはどうでしょうか…というのが今回お伝えしたい考え方でした。

いかがでしょう。

このような働き方は新しい流れで、受け入れ難いと考える方は多いかもしれません。

色々書きましたが、医師の世界はまだまだ常勤という働き方が一般的です。

もちろん、単一の職場に従事するメリットもあります。

技術の習得や、経験、経歴のためには一定期間、一つの職場で全力を尽くす場合が功を奏するケースが多いかもしれません。医師の場合、専門医資格の取得要件に、常勤の経験を必須としているものがほとんでしょう。

そういう意味で、この方法は、初期研修修了直後に誰もができるやり方かというと、人を選ぶかもしれません。

また、複数の仕事を持つことは、端的に言って手間がかかります。

移動の手間、スケジュール管理の手間などは当然のこと、扱う仕事の種類が大きく異なる場合は、知識習得にかける時間のコストも無視できない要因です。

しかし、例えばある程度の研鑽を積んだ医師が全く別の分野の仕事に挑戦してみたいと考えた場合、一つの場所に可能性を全振りするのではなく、これまでの経験が活かせる仕事を収入源にしつつ、新たな領域に挑戦できる安心感は、多少の手間を上回るメリットがあると私は考えます。

もしくは、ある程度の資産を築いた段階で、もともとやりたかった業種に挑戦すればいい、という考え方もあります。

しかし、それはいつでしょうか。

やりたかった仕事は、まとまった資産形成が済んだ年齢でも挑戦できるものでしょうか。

「もっと若い頃に挑戦すればよかった」とは思わないでしょうか。

何度も述べた通り、やりたい仕事でしっかりと収入が得られるのであれば、そこに全力投入すれば万事解決です。

しかし、そうではないのであれば、収入の軸のための仕事、やりがいのための仕事、どちらもやってみるのはいかがでしょうか。

もし、これからフリーランスになったり転職を考えている先生方の中で「お金を取るか、やりがいを取るかで悩んでいる」という方に、もう一つの選択肢を提示できたなら幸いです。

以上、「お金とやりがい」問題への解決策の話でした。